第8章 違う人と任務
背後を取って呪具の銃を突きつけた……そんなことで勝てるとでも思ったの?
まぁ…横目で見えるくらいには振り向かないと、術式の発動圏内にならない…私の術式だって穴だらけよ。
それでも敵は1人。
使用している呪具の銃は大したことなさそう。
夏祭りで遊んだ射的のコルク銃の方がまだマシね。
馬鹿みたいに扱いやすくて、アホほど景品が獲れたのだから。
あ、あと呪具や本人とは違う呪力…大鯰の髭もどこかに隠し持っている。
「シカトかよ?クソ呪術師はお高くとまってんねェ」
「止まってるのはどっち?動けないんでしょ」
「触らないで」ほしいから…筋組織に干渉して、動きを制限しているんだからね。
「高飛車クソ女がよぉ…」
「彼女から離れるんだ。大人しく呪物を私達に渡せば、今すぐ手を下したりはしない」
「私は大丈夫よ、夏油くん」
筋組織には干渉して制限を掛けているけど、意識や脳には何の制限もしていない。
この頭が悪そうな割にはそれなりに回転する呪詛師が、再び私に触れようと意識を集中した瞬間
「ふざけんなよ…っ!?クソ女ぁぁぁぁぁぁ!!!!」