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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第2章 馬鹿と告白と初デート




人が隙間に割って入ることのできない距離で。


それでも私には服の裾ひとつ触れない。


体格の大きい五条くんだけど、ぎゅっと体を小さくして膝に手を付いて縮こまっていた。


「……バカ。」


「聞こえたぞ、寧々」


ぼそっと呟いた言葉は聞こえる距離。


他の乗客の話し声やバスの揺れる音にはかき消されなかった。


「五条くんが先に降りないと、私が出られないじゃない」


横並びの2人掛け席は、先に座った私はどう足掻いても先に降りることはできない。


「お金は私が払いたいから、後で一回退いてくれる?」


「今寝たフリしてっから無理」


目を開けたまま寝言を言ってのける五条くんを間近に感じながら、バスは元来た道を戻っていく。


「なぁ、」


寝たフリをしていたらしい人が、降車寸前で話しかけてきた。


「また今度来た時にはお土産買おうな、お揃いの」


「水族館の話?」


「んー?次は動物園も行きたいって?しょうがないなー俺が連れてってやるよ」


勝手に約束を増やされて、勝手にデートの予定が決まっていく。


……そっか、デート、なのか。

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