第7章 夏休みといえば
ガッツリ系しかない中で、一番軽い食感であろうものを選ぶ。
……そ、そんなことより私の食べかけの焼きそばを躊躇なく食べてしまう五条くんに驚いてしまったわ。
「一本全部食えるか?」
「丸ごとだと多いかも…」
「ん」
五条くんは両手でバキッととうもろこしを半分に折った。
「半分こしようぜ」
「五条くんが食べたかったんでしょ」
そう言いながらも、分け合ったとうもろこしは甘くてしょっぱくて美味しかった。
「良かったら使って。ウェットティッシュここに置いておくから」
「寧々、気利くじゃん」
……本当は私だけ食べる前に手を拭いてたのだけれど、五条くんは食べるのに夢中で気付いていなかったから。
「ありがとなー。ベッタベタな手じゃ繋げないもんな」
「べ、別にそういう意味じゃないから」
「ククッ、どうだかな。ん、寧々も食べな」
「ふがっ!?」
差し出されたフランクフルト…と言うよりも、半ば強引に口に突っ込まれた。