第7章 夏休みといえば
「焼きそば…かしら?」
「焼きそばだな!買いに行くぞ!」
繋いだ手をぐっと引っ張って、五条くんは私を連れて屋台を巡る。
「おじさん!焼きそば2つ!」
ソースの香ばしい香りがたつ出来たて熱々の焼きそば。
「兄ちゃんいっぱい食べそうだな!おまけしてやるよ!」
屋台のおじさんは、パックが閉まりきらないほどギチギチに焼きそばを詰めてくれた。
それも2つ、私の分まで。
「これだけでお腹いっぱいになってしまいそうね」
「残したら食ってやるよ。間接キ「いいえ、食べ切るわ」
出店が並ぶ通りとは一本外れて、近くの公園で食べることにした。
公園にも人は溢れていて、偶然空いていた噴水近くのベンチに座る。
「ねぇ、五条くん」
「ん?」
「ここまで来る途中に何個買い足したの?」
荷物は全て五条くんが受け持ってくれてはいるけど、焼きそば以外にもたこ焼き、お好み焼き、イカ焼き、焼き鳥、フランクフルト…
飲み物以外はガッツリ系の主食やおかず系を軒並み買い込んだ。
「女子は色々な種類をちょっとずつ食べたいらしいじゃん。寧々が残した分は俺が食うから安心しろ」