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〖呪術廻戦〗大人しく抱かれてろ【R18】

第7章 夏休みといえば




「寧々、会場に着いたら手繋ぐ?」


「嫌」


高専から出店の立ち並ぶ通りまで、人間0.3人分の間隔をあけて並んで歩く。


どちらかが触れようと思えば、簡単に手は繋げる距離。


「もう2度と手は繋が…っ!?」


歩き慣れた山道と履き慣れない下駄。


無造作に散らばった石ころに足を取られて、体はぐんっと前屈みになる。


転ぶ…!


それでも地面に向かって倒れなかったのは、


「っと!危ねぇ!寧々、大丈夫か!?」


咄嗟のところで、五条くんが支えてくれたから。


「だ、大丈夫…っ、ありがと…ぅ」


転ばずに済んだ私を五条くんは後ろから抱き寄せたまま。


腰に回した手を離そうとはしてくれない。


「離してっ」


「ダメだ。寧々に怪我させたくないんだよ」


強制的に手を繋がれた。


私から振り解けないように、恋人繋ぎで。


強く、固く、握り締められた。


でもきっと、五条くんは気付いてない。


私がこの手を離す気が、段々薄れていること。


心からの拒絶はなく、五条くんの体温を愛おしいと思い始めていること。


このことはまだ…自分でも認めきれていないけどね。


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