第7章 夏休みといえば
扉の鍵を掛けようと近づいた時、またしても扉が開けられた。
「寧々、ごめんなって!ほら、この通り…!」
両手を突き合わせて謝罪を見せつけてくる五条くんの腕には、青い布…と細長い白い布が掛かっていた。
「お詫びに何でも買ってやるから花火大会行こうぜ!」
「えっ」
浴衣姿の五条くんが広げたのは、五条くんの瞳と同じサファイアのような色の浴衣だった。
「どうせ着替えるなら浴衣で夏祭りでもって思ったんだよ。俺は…今日の花火大会、どうしても寧々と見たいんだ」
「花火大会…」
「その為に朝イチで任務を終わらせてきたんだ!なっ、頼む!」
謝罪はそこそこに、話は急な夏祭りへのお誘いに。
「もっと早く誘ってくれたらいいじゃない」
「さっき実家から浴衣が届いたんだよ。俺はどうしても寧々の浴衣姿が見たくてだな…」
「素直な変態ね」
花火大会なんて誰にも誘われなかったから、すっかり忘れてた。
「ちなみに硝子とか他の奴らには、俺が寧々を誘うからお前らは声掛けるなって言っといた⭐︎」