第6章 クッキーとゼリー
「んぁ…ん…?朝…じゃないわ、昼…ね」
寝ぼけ眼を擦ろうとした時
「えっ、えっ、なんで…っ」
すぐに離せば良かったのに、見たことない手の繋ぎ方をしていたから。
「い、いつの間にっ」
その見慣れない手を凝視していると
「んぅー、ん…ん?あれ寧々、おはよう」
「おはようじゃないわよ!手を離して!」
「っくく、寧々から離せばいいんじゃね?」
「た、確かにそうね!」
なんでそんな簡単なことを見落としていたのかしら。
寝起きだからって、そんなの変…。
「…って、えっ?」
「ん?どうした寧々?」
手を離したいのに、離せない。
指と指が交互に絡んだ恋人繋ぎは、五条くんからも離してくれないと、手が離れていかない。
「わざと力を入れてるわね?」
「なんのことだか分かんねーな」
白々しくとぼけて見せる五条くん。
「離してくれないと任務に遅れてしまうわ」
「歌姫なんか待たせとけばいいじゃん」
「歌姫先輩みたいな優しい人を待たせるわけにはいかないの」