第6章 クッキーとゼリー
「俺はもっと寧々と一緒にいたいのに…」
「き、気持ちは嬉しいけど遅刻するわけにはいかないわ」
名残惜しいと思うのが自分だけでないことに嬉しくなる。
「寧々」
「なに?」
「俺と一緒にいてくれてありがとうな…っと!いい加減起きて準備しねーとな」
五条くんはベッドを出て、ぐいーっと伸びをして
「よく寝たわ」
あくびと一緒に乱れた服を整えた。
「俺、自分の部屋戻って着替えてから行くなー。寧々も任務頑張れよ」
「う、うん…」
もっと一緒にいたいと言った割には、そそくさと帰ってしまうのね……。
「そんな寂しそうな顔すんなって。任務から戻ったらまたすぐ来るからさ」
「あ、私、歌姫先輩と夜ご飯食べてくるから遅くなるわ」
「マジ…?その予定は把握してなかったわ…」
もっと寂しそうな顔をしたのは五条くんの方だった。
「やっぱ俺、帰らなくていい?」
「任務はどうするのよ?」
その後しばらくは任務には行きたくないだの、いっそ私の任務についていくだの宣った後、
出発時間ギリギリになって、夜蛾先生からの電話でお叱りを受けて…やっと五条くんは部屋を出た。