第6章 クッキーとゼリー
ちっとも素直になんかなれない私を見て、五条くんはクククと笑うと、本当に幸せそうに微笑んだ。
それからまたゆっくりと瞼を閉じて、しばらくすると寝息が聞こえた。
窓の外で小鳥がさえずる声と五条くんのスースーとした寝息。
なんて、柔らかい朝なのでしょうね。
……そういえば、五条くんのほっぺも柔らかそうね。
「……ふふっ」
繋いだ手はゴツゴツしていたのに、ほっぺはもちもちぷにぷにしていそう。
「おやすみ、五条くん」
私の寝顔を見ながら寝るって、はしゃいでいた五条くんの寝顔を見つめながら、ゆっくりと眠りについた。
「ん…寧々は…寝た…か?」
私が寝息を立て始めてから、五条くんが1回起きていたことなんて知らなかった。
「ふあぁ〜。手は出さねぇけど繋ぐくらいはいいだろ。柔らかい手…大切にしねぇとな」
寝ている途中に、ほっと心が温まる感覚があった。
それはきっと直前に見ていた夢のせいなのだと思っていたけれど。