第6章 クッキーとゼリー
向かい合った視線は、私は五条くんの胸元を、五条くんは私の頭を見下ろしていた。
「ちょっとズレてんな…俺がもっと下に行くか」
ごそごそと体を移動した五条くんは、足を折り曲げたのか、ベッドから投げ出したのか、
「これでちょうどいい感じ?寧々の寝顔見ながら寝るなんて最高だな」
大きな目をニッと細める。
大きな体を窮屈そうに畳みながら。
「やっぱり…恥ずかしいっ」
俯くだけでは恥ずかしさは消えず、五条くんから見られていることにも感情が揺さぶられる。
「!?」
あまりの恥ずかしさに耐えきれなかった私は、ぐるっと背を向けようとしたのに…
「なんで体が動かないの…っ」
犯人は当然…五条くんで。
「無限の新しい使い方思いつく俺って天才?」
見えない壁によって、私の移動は制限される。
「寧々、大人しく寝ろよ?任務までに体を休めねーと」
「こんな状況で眠れるわけないじゃない…!」
五条くんと向かい合って、お互いの吐息がかかりそうなほど近くで寝るなんて…!
「確かにな、俺もヤバいわ」