第6章 クッキーとゼリー
「俺はガチ寝するから昼になったら起こせよ。午後から任務あるんだわ」
「お昼まで居座る気なの?私も午後から歌姫先輩と任務があるのに」
もうしばらく…一緒にいてくれるのね。
「俺は1人寂しく山奥に行かなきゃなのに、寧々は歌姫と気楽に廃校の調査だろ?ずりぃよな」
「なんで私の任務の内容を知ってるの?」
「好きな子のことは何でも知りたいんだよ、悪いか?」
どこから聞き出したのか分からないけど、探るほど気になるのね…?
「つ、次からは予定を全部教えるわ」
「そうしろ、そうしろ。でないと俺がストーカーみたいだろうが!デートの予定も組みにくいし」
「デート…」
今日の思い出も、デートになる…のよね…。
「っし、寧々、こっち向け」
「へっ?」
五条くんは仰向けの状態からくるっと向きを変え、私の方を向いた。
「添い寝つったら向かい合って寝るのが醍醐味だろ」
「そんなの知らないのだけど」
「いいから、な?」
よく分からない…よく分からないのに、反論する気も起きなくて。
「……こ、これでは逆に眠りづらい気がするのだけどっ」