第6章 クッキーとゼリー
「五条くんには一口だけって約束だから。もうあげないからね」
「そんな約束してね「いえ確かに」
「と、取り消していいぜ。謝罪もいらない。ゼリーはいる」
なんて…わがままなのかしら…。
「寧々…なんでゼリーが甘いのか…分かってんのか?」
「も、桃は冷やしすぎると糖度が下がるから、色々やってる間にほんのり温まったんでしょ…っ」
「その色々が重要なんだけどな?」
「う、うるさいわね!とにかくこれは私1人で食べるの!五条くんはぶどうとか他のを食べればいいじゃない!」
「俺は寧々が食べてるやつが食べたいの」
「な…にそれ…」
五条くんの思わぬ返しに面食らった私に、彼は言ってのけた。
「なんでって、寧々の味がするから「気っ持ち悪い!」
五条くんの顔面に枕を思いっきり叩きつける。
「ぶへっ!?」
もう私の心に「触れないで」
楽しい思い出ばかりができて、心を埋め尽くされそうだから。
「最初よりは愛想良くなってきたな。どんな寧々も可愛いけど」
「頭、大丈夫なの…?」