第6章 クッキーとゼリー
「えっ…」
隣にいる五条くんだった。
「…ど、どうして…っ」
状況が理解できない。
私は自分の部屋のベッドで寝ている。
けれど隣には蒼い瞳で私を見つめる五条くんがいる。
いつの間にかサングラスを取った彼が。
「添い寝してたんだよ。寧々の寝顔見ながらな」
「なっ…!」
「まだ起きるなよ。大人しくしてろ」
「ーーっ!」
無理に起き上がろうとすると、体が鉛のように重く持ち上がらなかった。
「精神的な疲れが体にでも出てんだろうな。今は大人しく寝てろよな…俺の隣で」
「五条くんが退いてくれたらいいじゃない…!」
「嫌だね。深夜2時にベッドを明け渡す人間がどこにいんだよ」
電気が付いていて分からなかったけど、外は真っ暗闇のようだった。
五条くんを退かすためには触れなくてはいけないし、口で訴えてベッドから退散するような人ではない。
自分が動こうにも体に力が入らず、じっとしているしかなかった。
添い寝…とは言っても、五条くんは私に触れないように大きな体を小さく小さく狭めていた。
ただ…ズボンの裾は私の足先に触れていた。