第6章 クッキーとゼリー
ドアを3回ノックする音。
コンコンコン…と鳴った後、施錠したはずの鍵がガチャリとこじ開けられた。
それが強い呪力による捻じ曲げだと気付いた時には、もう
扉が無常にも開いた。
「寧々」
「……っ!」
招かれざる客。
こんなにも早く次が訪れるなんて……。
「あれ、五条悟もいるの?せっかく可愛い妹にプレゼントを持ってきたのになぁ」
「お兄…様…、どうして…」
「ああ、鍵?相変わらず防犯意識がないよねぇ、高専の寮って。久しぶりに寧々に会えて思い出したんだよぉ。ほらこれ、プレゼント」
私の意思など関係なく、不適な笑みを浮かべたお兄様はずかずかと部屋に入り込んだ。
「さっき買って戻ってきたんだよ。ほら寧々の好きなクッキー。こっちにおいでよ、受け取って欲しいな」
分かってる、分かりきってる、お兄様に近づいてはいけないって…。
それでも従順に躾けられた体がまたもお兄様に向かって
「へぇ、そりゃ気の利くお兄さんッスねぇ?」
私とお兄様の間にスッと割って入ったのは五条くん。
「ちょうど寧々からもらった分を食い切ったところなんで。あざーす」
お兄様から箱を強引に奪い取ると