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A3! 総監督の友達兼右腕

第2章 春組『早くも2回目の呼び出し』


久しぶりにMANKAIカンパニーに行って1週間後くらいにまた呼び出しのメールがきた。


『雨国、助けて…』


「は…?」


不穏な内容につい呟いてしまう。
何事かと思って金曜日の仕事終わりに行ってみた。



「雨国、稽古が上手くいかなくて…!!……不甲斐ない…」


玄関を開けた瞬間いづみが悔しそうに呟く。普段の並以上の根性があるいづみがこうなるって結構マズいのかもしれない。

私はいづみの肩を叩きながら一緒にレッスン室に向かった。



台詞合わせから最近立ち稽古に入ったらしいが、台詞合わせが上手くいって安心したらしい。

レッスン室のドアの隙間から覗いてみてもわかる。
どう考えても雰囲気が和んだが同時に、緩い。

私は首を捻って考えた。


今日は仕事を持って帰ってきたから家に早く帰りたい私はいづみをすぐに扉の隙間から覗きながら呼び出した。

皆には気づかれないようにしているから急に扉の方に行くいづみに皆驚いている。

私は小さく囁いた。


「誰かにキツく言ってもらわなきゃダメ。でもいづみには劇団員の味方でいて貰わなきゃだからいづみがキツく言うのはナシ」


いづみはうーん…と考えていた。
そして口を開く。


「…初代の人達に来て貰えないかな」


凄い考えに驚く。
難しいかもしれないけれどそれが叶うなら1番良い解決法だと思った。

私は頷く。


「それが良いよ!支配人に相談してみたら良いんじゃないかな。じゃあ私帰るね!」


そう一言呟いて手を振る。するといづみが私の手を引いて聞いてきた。


「え、雨国明日も仕事あるの?」


「ある!今日仕事持って帰ってきたんだ。…あ、私がお節介焼いただけだから気にしないで!」


とだけ言って心配そうにこっちを見るいづみに手を振って家に帰った。



家に帰るといづみから『忙しかったのに来てもらってごめん…!』と謝罪のメールが来ていて私は資料をまとめながら返事をする。


「…勝手にした事だから気にしないで、と」


私は頭を抑えた。
こうやって全部口に出している時は大抵疲れすぎているときだ。
ちょっと休まなくちゃな…とか思いながら今日も夜中まで資料作りに励んだ。


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