第5章 番外編 〘ハロウィン2023〙
シトロンさんの部屋に行く
ノックをすると看守姿のシトロンさんが笑顔で出てきてくれた
「オー、雨国!」
中に入れと促してくれる
私はカップケーキを手渡した
「シトロン看守。囚人番号222番に懐かれてるんですね。」
そう言うとキョトンとした顔で私を見てくる
でもすぐになんの事か気づいてくれた
「222番…タスクのことね!…あの子はいっつも私の話しか聞かなくてね…。」
察してシトロンさんもノッてくれる
「分かってくれましたか。…っていうか凄くかっこよかったです。看守姿でそのセリフ!!」
「ホント?うれしいネー!」
キャッキャはしゃいでいるとコンコン、と扉がノックされる
シトロンさんが出た後ろから私も覗き込む
「やあ、王子様。お酒を楽しまないか聞きに来たんだけど…、お邪魔だったかな?」
ノックの正体は東さんとガイさんだ
2人は妖精の王様のような格好をしている
「良ければ雨国さんもどうだ。いつものメンバーでも楽しいが貴方が混じってくれるとまた違う楽しさが生まれそうだ。」
ガイさんが少し微笑んで言ってくれる
私は少しだけなら、と頷いてシトロンさんと一緒に二人の部屋へついて行った
「雨国さん、結構飲めるんだね。」
東さんが私の隣で微笑む
向かいではガイさんとシトロンさんが会話に花を咲かせていた
「そうですね…。会社でも飲み会とかあって。」
「へえ、今度からはたまには君にも付き合ってもらおうかな。」
ふんわりとした雰囲気が何とも東さんらしい
「ね、黒猫さん?」
「はい、是非。」
笑顔で答えると東さんも嬉しそうに微笑んだ
するとガイさんからも話しかけられる
「酒が飲めるなら是非私の店にも来て欲しい。新商品の味見を手伝ってくれ。女性からの意見も聞きたかったからな。」
ガイさんがなんだかいつもより柔らかく見える
嬉しくなってコクコク頷くとガイさんも微笑んで深く頷いてくれた
「それと…黒猫、似合っている。とても可愛らしい。」
目を合わせると同時にそんな事を言われて私は自分の顔が熱くなるのが分かった
すると他の2人も私の顔を見て微笑む
「僕も思ってたよ。」「ワタシもネー!」
追撃を受けて私は急いで立って謝ってから部屋から出ていった