第5章 番外編 〘ハロウィン2023〙
すぐ横の部屋から声が聞こえた
ノックをすると綴くんが出てくる
「あ、雨国さん…って、なんつー格好…。」
綴は私の格好を見るなり目を隠した
幻滅されたのかと思って慌てて言う
「変だよね!でも、今日くらいは仮装しようって思って…幸くんも作ってくれたし。」
「え、いや違っ…。んん゙!……素敵です。」
慌てて咳払いをする綴くんの後ろから三角くんがひょっこり顔を出す
「あー、雨国さんだぁ!」
おいでおいでと手招きをする三角さんはカップケーキを手に取って私を案内してくれた
「綴たちの部屋だけどね〜。」
「ほんとっすよ、三角さん。」
綴くんは笑いながらこっちに来る
三角くんは私の格好を見て微笑んだ
「雨国さん、黒猫さん?可愛いねぇ。」
私の頭に着いている耳を撫でてくる
少し恥ずかしくなってしまう
三角くんは魔王の格好で綴くんはピエロの衣装のようだ
「三角くんも凄いかっこいいよ。それに綴くんも…似合ってるはおかしいのかな。でも素敵だよ。」
そう言うと2人とも嬉しそうに笑った
そして綴くんが思いついたように言った
「そういえば…そろそろパーティ始まるっすよ。行きましょ。」
「パーティって何…?」
そう言う私を2人はなだめながら談話室へ連れていった
「あ、雨国!」
いづみの声にいつの間にか揃っている皆が振り向いた
「ハッピーハロウィンです!お菓子どうぞ!」
咲也くんがキャンディをくれる
それを初めにほかの皆もお菓子をくれた
「えっ。ありがとう…。」
意外すぎて…言葉に詰まっているといづみが笑う
「いつもお世話になってるからね。ハッピーハロウィンだよ。雨国。」
「……嬉しい!ありがとう。ハッピーハロウィン、皆!お菓子用意するね!」
私はいっぱいのお菓子を手に持って微笑んだ
fin