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A3! 総監督の友達兼右腕

第5章 番外編 〘ハロウィン2023〙


廊下を歩いていると106号室から顔を出した九門くんに声をかけられる


「あ、ねえねえ。雨国さん!ちょっとこっち来て〜!!」


彼に続いて部屋に入ると机に突っ伏して寝ているミイラ男の莇くんが居た


「え、可愛い…。」


「疲れちゃったんかな〜。色んな人メイクしてたからね!莇ってほんとスゲェよな。思わない?」


莇くんの向かいに座って2人で見つめながら話す
私は九門くんの方を見た


「確かに凄いよね。…でもそんなふうに人を褒めれるのも凄いことだよ。ほんと、その天使の仮装が似合うね。」


九門くんの頭に付いた天使の輪っかをつつくと少しして顔をボンっと赤くした


「わー…、照れる!」


手の甲で頬を冷やす九門くんを見てると目を覚ました莇くんと目が合う


「お疲れ様。莇くん。」


「…ああ、別に。」


ふいっとそっぽを向く莇くん
私たちはブーッと頬を膨らました


「莇くんのメイクのおかげで皆楽しんでるのに〜。」


「そうだぞ、莇!今莇スゲェって話してたとこ!」


2人して莇くんの顔を見つめていると耳が少しづつ赤くなっているのに気がついた


「照れちゃってもー!」


「うるさい!」


莇くんは私の背中をクッションで押しながら外に出す
慌ててカップケーキを渡すと受け取ってくれる
そして小さく


「似合ってる。」


と言ってくれた
私が聞き返すと早く出てけと急かされてしまった



2階の稽古場に行くと丞さんが居た


「劇の練習ですか?」


そっと後ろに行って話しかけると丞さんは少し驚いた表情をしてから真顔に戻った


「ああ、こんな格好をする機会は滅多にないからな。」


と自分の衣装を軽く見せてくれる


「……囚人番号222番。普段から刑務を全うしている褒美にカップケーキを持ってきた。」


即興で看守の役を演じてみると丞さんはフッと笑ってからカップケーキを1つ手に取った


「ああ、有難い。…しかし私の専属場所の看守はシトロン看守であったはずだが…。」


カップケーキを怪しんで見る丞さんの言葉についつい反応してしまう


「シトロンさん看守なんですか?」


「…ああ。見に行ってみろ。」


カップケーキを1口食べながら言う丞さん
私が部屋から出ようとすると


「じゃあな、黒猫。」


と手を上げてくれた


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