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A3! 総監督の友達兼右腕

第5章 番外編 〘ハロウィン2023〙


「ん、雨国さ……。」


そこに居たのは十座くんと幸くんだった
赤くなって固まっている十座くんを置いて幸くんは私に近づいてきて全体を見た


「うん。可愛いじゃん。」


満足そうな彼の顔に私も微笑む


「幸くんの衣装のおかげだよ。ありがと。」


少し照れたように頷く幸くんは赤ずきんの衣装を着ているようだった


「幸くんは赤ずきんなんだね!可愛い!」


そう言うと幸くんは自分のスカートを少しターンして揺らした


「でしょ?オレ的にも最高作。」


フフンと自慢げな幸くんはまだ固まっている十座くんの背中を強く叩いた


「早く立て、テンプレヤンキー。アンタの衣装も見せたいんだから。」


十座くんはハッとしたように立ち上がった
10座くんは狩人の様な服を着ている
胸元に百合の刺繍があった


「……あ!もしかして椋王子のとこの狩人さん?」


「ああ、同じ刺繍を入れてもらった。」


自分の胸元を見て優しく笑っている
やっぱり十座くんは良い人だな


「似合ってるよ!かっこいい。」


そう言うと十座くんも私を見た


「…雨国さんも…、似合ってるっす。」


何だか気恥ずかしくなっていると幸くんは私たちを見てベッと舌を出す


「カップケーキ配るんじゃないの?イチャついてないで早く行け。」


そう言われて私は2人にカップケーキを渡してお別れした



廊下を歩いているとバルコニーに千景さんと寝てしまっている密さんが居た


「千景さん。」


ゆっくりとこっちを見る千景さんはフッと笑った
そして椅子を持ってきて座れと促す


「どうしたんだ。黒猫さん?」


「ああ、いえ。そう言えば甘いの苦手だったなと思って。」


そう言うと私の手元のカップケーキを見て頷いた
そして1つ取って密さんの前に置いた

密さんはゆっくり目を開けて1口食べる


「……美味しい。………黒猫さん?」


私はつい笑ってしまう


「何でしょう。白うさぎさん。」


2人はうさ耳をつけて執事の服を着ていた
千景さんは自分のうさ耳を少し引っ張った


「幸から外すなと言われてね。」


「仮装苦手ですか?」


そう聞くと千景さんは少し唸ってから微笑む


「嫌じゃないのが嫌なんだよね。」


「…ふ、変なの。」


密さんは柔らかく微笑んだ


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