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A3! 総監督の友達兼右腕

第2章 春組『早くも2回目の呼び出し』


フワッと何かをかけられる。
その感覚で目が覚めた。

…バルコニーで寝てた?
何とかギリギリで終わったんだっけ。
ズキズキする頭で辺りを見回した。

するとシトロンさんのバルコニーから出ていく後ろ姿が見て、私は慌てて駆けつける。


「シトロンさん、待って!」


寝起きの体で走ったからか足が覚束無い。シトロンさんが振り返った瞬間つまづいてしまった。


「っと…。怪我はない?」


抱き抱えられて顔が赤くなってしまう。
…ていうか今凄い流暢じゃなかった?


「ありがとうございます…。てか、シトロンさん凄い!今さっき普通に話せてましたよ!!」


私が笑って話すと、少ししてシトロンさんも笑った。


「オー、やったネ!…雨国、クマがヒドイネ!バルコニーなんかで寝るからダヨ」


すぐにいつも通りに戻ってしまった。
しかも私の目を見て離してくれない。

ヤバい、凄い近い。
心臓がうるさくなってきた時綴くんが来た。


「シトロンさ…ってえええ!?」


「違う違う!!」


顔を真っ赤にする綴くんに走る。
シトロンさんも笑いながら着いてきた。


「雨国の寝不足を震災してたダケネ」


「震災…?」「心配っすね」


3人で笑いながらレッスン室に歩いた。
レッスン室に入るといづみが手を叩いた。


「今日は皆に個人メニューを組んできました!」


「個人メニュー…ですか?」


いづみが一人一人に紙を渡していく。
そして1人ずつ説明していった。

私はレッスン室の隅に座って見つめる。
だんだん眠たくなってきて目を瞑ったとき、


「…で、雨国にも相談して決めたの」


そう聞こえて慌てて目を全力で開く。皆はこっちを見ていた。

咲也くんが私の手を握った。


「ありがとうございます!雨国さんも忙しいのに…。でも本当に助かります!」


「ううん。こんなことで良ければ」


満面の笑みでお礼を言われて嬉しくなった私は咲也くんの手を握り返す。

そしてまた各々の練習に入っていった。



夜になって帰ろうと玄関を出たらまた至さんが車を出して待っていてくれていた。


「…え、今日も良いんですか?」


「うん。ちょっと相談したいこともあるし」


ニッコリ笑いながら言ってくる。
私は言葉に甘えて車に乗った。



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