第2章 添い寝の秘密
次の日、僕が朝起きてリビングに下りると、ぼんさんはやっぱり、リビングで寝ていた。
布団まで持ってきてわざわざソファの上で寝ていることから、さすがに寝相や夢遊病でここまで来たとは考え難い。僕はいつも通り、ぼんさんの肩を叩いて起こした。
「ぼんさんぼんさん」
「ん? あ〜……ごめんごめん、もうそんな時間?」
ぼんさんのいいところは、寝起きがいいことだ。どうせ昨日も遅くまで起きていただろうに、眠いのにとも文句すら言わずに体を起こす。自分の部屋に戻るのだろう。
「ぼんさん、一つ聞いていいですか?」
「ん? 何?」
寝ぼけ眼で僕を見据えるぼんさん。聞くなら今しかないと思ったのだ。
「最近、どうしたんです? リビングに寝るのはいいんですけど、夜は部屋にいるのに、どうしてわざわざリビングで寝てるんですか」
「あー、うん、それね……」
僕の質問に、ぼんさんはどっちとも取れぬような軽い笑みを吐いて言いづらそうにした。やはり、答えられないことなのだろうか。おらふくんと関係のあることで?
「とりあえず、こっち来てくれる?」
「え、いいですけど……」
予想していなかった回答に僕は戸惑いながら、ぼんさんと一緒に二階に上がる。向かった先は、ぼんさんの部屋だった。
なんで? と言いたくなるのをぐっと堪えていると、ぼんさんは自分の部屋の扉を開けてどうぞと僕を招く。意外と片付いている(失礼なのだが)部屋の奥で、見慣れないものがあって思わず声を上げてしまった。
「えっ?!」
ぼんさんのベットの上に、おらふくんが縮こまって眠っていたのである。