第2章 添い寝の秘密
それからというものの、ぼんさんがリビングで寝ていることがなくなった。
おんりーが何かしたんだと思ったが、タイミングが合わず、しばらく話すことは出来なかった。
「自分、鉱石掘ってきます」
ある日、鉱石不足になった時にツルハシを片手に一人出ていこうとしたおんりーを追いかけて僕もついて行くついでに、その話をしてみた。
「それで、おらふくんのことなんだけど……」
「ああ……」
洞窟を歩きながら僕が切り出すと、なんてことはないみたいな顔でおんりーが足を止めてこちらを振り向いた。といっても、おんりーの顔に極端な表情が出ることはあまりないんだけれども。
「ゾンビがいたんですよ」
「え、ゾンビ?」
おんりーが何言いたいのか分からずに僕は首を傾げた。おんりーはこう説明してくれた。
「おらふくんの部屋側の外に行ってみたら、ゾンビの声が聞こえたんです」とおんりーが話す。「探してみたら地面の中に空間が出来ていたんですよね。そこにゾンビが湧いていたんですよ」
「ああ、そういうこと!」
つまりおらふくんの「呻き声が聞こえる」というのは本当だったのだ。ぼんさんの部屋にそういう意味で行っていたという説は薄くなった。まぁ、少なくとも好意がないとは言い切れないんだけれども……。
「あ、鉄ありましたね」
おんりーは採掘作業へ戻って行った。僕も別方向で採掘作業を始めた。