第2章 添い寝の秘密
「ねぇねぇ、おらふくん」
「あ、ドズルさん。こんちゃっちゃ!」
数日後。おらふくんが外で農作業をしていたタイミングで、僕は早速あの話題を振ってみようと思った。
「最近、困ったことない?」
「え、困ったこと?」
きょとんとするおらふくん。急に話を振られて驚いたのだと思うが、おらふくんのことだ。あまり僕のことを疑うこともしないだろう。
「そうそう。最近様子ちょっと違うかなって思って」
と僕が畳み掛けるように言えば、おらふくんは一旦手を止めて実は……と話し出した。
「僕、最近よく眠れないんですよ」
おお、来た来た。僕は心の中でガッツポーズを作った。
「眠れない? 畑仕事なんてしてて大丈夫?」
「体動かせば、今日はよく眠れるんじゃないかなって思ってるんやけど……」おらふくんは悩み事を話続けた。「ベットに入ろうとすると、近くでウォ〜って誰かの声がするんですよ。それがずーっと聞こえて、眠れなくて」
「だからぼんさんの部屋にいたんだ?」
「そーなんですよ〜。僕の気のせいなんですかねぇ……」
見ると、おらふくんは本当に困っているみたいだった。
「ぼんさんに頼んだ理由は? 僕の部屋に来てもよかったのに」
「はははははっ、ドズルさんは部屋散らかってるじゃないですか〜」
うっ、そんなことは……。
けれども、いつ部屋掃除したのかとおらふくんに聞かれて何も言い返せなくなり、この日はもう問い詰めることはやめることにした。