第6章 子守唄
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短い節が繰り返される。二、三度ほど歌い終え、気づけば、揚羽はすぅすぅ、神楽はぐぅぐぅと眠りについていた。怖くて眠れないと訴えていた子供達は、存外早く夢の中へ入れたようだ。くすくすと笑いながら、菊は揚羽の頭を最後に一撫でして銀時のソファへ向かった。
振り向けば意外なものが視界に入る。そこには、うとうとと胡座をかいたまま船をこぐ銀時の姿があった。子供達と騒いでいた彼も、どうやら思っていた以上に疲れていたようだ。今にも横に倒れて眠りそうである。そんな銀時を布団へ行くよう催促する為に、菊は彼の肩を軽く揺らす。それに気づいた銀時も目を薄く開いた。
「私達も寝ましょう。」
「ん、おう。」
眠気の含んだ声で答え、銀時は菊と共に寝室へと向かっていった。布団を敷き、それぞれ就寝する準備を終える。電気を消し、布団の中に入る。
ふと、菊は違和感を覚えた。
「何?」
横を見れば、いつも以上に銀時が近い位置にいた。電気を消した後に、布団をくっ付けてきたようだ。特に何でもないかのように銀時は話しだす。