第6章 子守唄
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「ギ、」
ギャァァアアアアアア!!!!!!!
深夜近い時間帯に万事屋の銀時、神楽、そして揚羽の悲鳴が響き渡る。菊を交えた万事屋の四人は、話題になっていたテレビドラマ「女郎蜘蛛」を見ていた。数々のコマーシャルでは「あの吉原炎上よりインスピレーション!」「元遊女と駄目男の恋!」「激情と欲が織り成す壮大なドラマ!」などとありきたりな恋愛ドラマを連想させるようなキャッチフレーズで視聴者を釣っていた。
通常、神楽以外は恋愛ドラマに興味を持つ者はいないのだが、このドラマは万事屋組の皆が立ち会った吉原炎上の影響を受けているとの事で、銀時と揚羽、そして菊までもが見る事に同意したのだ。しかし実際に見ればとんでもない展開であり、最後は完全にホラーである。確かに序盤には女と男の恋愛模様が描かれていたが、どこをどう間違えたのか、視聴者を恐怖のどん底に陥れていた。見始めたからには最後まで見ていたが、これは騙された。最悪である。しかも最後のスプラッタが妙に生々しい。血みどろの男の首が脳裏から離れない。心霊番組でも怖がらない神楽でさえ、予想を裏切られたからか、トラウマを覚えた。
「……き、気持ち悪いアル! こんなの見せられたら、天井の角が怖くて眠れないネ!」
「神楽お姉ちゃんは襖の中で寝るからまだいいじゃん! 私なんてソファで寝るから余計に怖いよ! 天井の隅っこ怖い! これはもう姐さんと一緒に寝るしかないね!」
子供っぽくないとは言え、やはりまだ幼い少女達。神楽と揚羽は大げさなほど騒ぎ立てた。近所迷惑なのは気にせず、興奮している二人はぎゃいぎゃいと高ぶった感情を喋る事によって発散している。揚羽に至っては、ドサクサに紛れて菊と一緒に寝ようとしていた。