第5章 貴方に教わる命の繋ぎ方
「でも貴方の料理も好きよ、私。」
そう、好きなのだ。例え本人が適当で簡単な物しか作らないと言っても、菊は銀時の味を新八の料理と同じくらい好いている。今まで満たされる事の無かった腹は毎日満腹であり、命を繋げてくれるご飯がこれほどまでに美味しくなると知れたのは間違いなく吉原から連れ出してくれた銀時のお陰だ。そんな気持ちを込めた菊の言葉に、銀時の口許はほころぶ。
「そらぁ、最高の褒め言葉だ。」
「……本当なのに。」
「わーってるって。ほら、お前もやってみろ。」
フライパンにクッキングシートを敷いた上に魚を乗せた銀時は、菊にも魚を焼くように促した。