第4章 あたたかな 〜銀時篇〜
薬の事をどうにかしたい今の銀時には桂を相手にする余裕はなかった。早々にその場を立ち去るのが吉だと考え、別れを言う。ヅラじゃない、桂だとツッコミを入れつつも、桂は尚も勧誘を続けていた。そんな桂を無視して銀時は突き進む。エリザベスは別のエリアで勧誘をしていたのか、珍しくその場にはいなかった。銀時は内心それに対してほっとする。あの宇宙生物と目が合うだけで心がそこしれぬ何かに襲われるのだ。あれを可愛いと称する桂の頭が理解できない。
ふと、エリザベスの事を考えていたら、ある可能性が銀時の頭を過った。
たしかエリザベスは坂本辰馬が宇宙から連れて来たものではなかっただろうか。地球への着陸失敗で万事屋を幾度となく破壊し、発言や言動はアホではあるが、あれでも一端の貿易会社の社長である。認めたくはないが、万事屋の社長である銀時よりは成功を収めているのは確かだ。あの男ならば、地球では手に入らない薬も入手できるのではないだろうか。
その考えが頭よ過った瞬間、銀時は陸上選手よろしく、猛ダッシュで万事屋へと向かっていた。