第4章 あたたかな 〜銀時篇〜
*****
それからは、薬を探すのは銀時の仕事となった。新八と神楽で出来る依頼は二人に任せ、江戸の大病院に足を運ぶ。医者と相談する時間を設け、菊の子宮や外傷に効く薬を頼む。だが、思い道理の結果は得られなかった。薬自体は天人が既に開発しているらしい。しかし、現在江戸で取り扱える薬は、効果は強くとも完全には癒す事が出来ない代物だそうだ。違法な薬物を使用しているからではない。ただ、薬を購入するには莫大な金が掛かり、一度それを江戸に入荷するだけで天人に地球を売らなければならない程の金額なのだ。
それを聞いた銀時は落胆した。つまり、正式なルートで薬を手に入れる事は不可能なのだ。そして裏で動いて手に入れても、恐らく紐付き。それもそうだ。どんな傷も直す万能薬が簡単に手に入るのなら、きっとそこら辺の薬局でも売ってるし、病院も必要性が無くなる。一人の命より先に政治やら商売やらが優先されるのが世の常なのだろう。仕方の無い事だ。彼らを責めるつもりはない。だが、やはり存在すると分かった以上、諦めたくもない。銀時は病院から出てかぶき町を彷徨った。