第4章 あたたかな 〜銀時篇〜
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実際に薬を買うとなると、資金が必要になる。その為には万事屋で働いたお金を薬代として溜めないといけない。ただでさえカツカツな生活を送っているのだから、銀時は新八と神楽を納得させる言い訳を考えていた。しかし、いくら考えても何も思い浮かばずにいた。諦めて二人に「あのよ、高ぇー薬、買おうと思ってんだけど…。」と腹をくくって言ってしまえば「当たり前じゃないですか。」「早く仕事探しに行くアル。」とあっさり同意され、逆に急かされた。「あれ?マジで?」と思いながらも二人の協力を得られた事に安堵する。
それから万事屋は忙しくかぶき町や隣町まで走り回った。連日仕事が入り、休日の無い週が何度も訪れる。普段は米も食えないくらい仕事が入らないのに、何故か最近は繁盛している。新八と神楽が持ってくる仕事の量も半端じゃないが、入ってくる依頼の三分の一は揚羽がどこからか持って来ていた。末恐ろしい娘だ。寺子屋に通っているから他の二人より仕事を探す時間が少ない筈なのに、一番の利益を持ち込んでいる。驚異的な客引きの才能である。
そうして齷齪と働いてゆく内にどんどん薬代は溜まって行った。生活の為に家賃や電気代、食費とその他のお金も必要なため、十週間以上かかったが、思ったよりも早く資金が揃った。短期間でこんなに儲けた事は万事屋を開いて初めてだ。今まで見た事の無いほどゼロが並ぶ通帳を見て、銀時、新八、神楽、そして揚羽は満足そうにニヤける。これだけあれば、十分足りるはずである。後は薬を探して購入するだけだ。