第3章 あたたかな
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思わず漏れる甘い声、埋められた指を何度も銜え込むように伸縮する局部と、ひくつく体で銀時は菊が達した事を確認した。これで子宮の奥にも薬が届いた事を銀時は願う。敏感になっている体をあまり刺激しないように、ゆっくりと指を引き抜く。その際に粘った膣液が糸を引き、ぷつりと途切れてタオルケットの上に少し垂れた。そばに置いていたティッシュを何枚か箱から抜き取り、銀時は菊を腕に抱いたまま濡れた指とタオルケットを拭く。拭き取った後は同じく用意しておいたゴミ箱にティッシュを捨て、菊を別の清潔な布団に寝かせようとした。が、腕の中ですすり泣く菊に気づき、銀時は慌てる。
「お、おいっ、なに泣いてんだ!? そんなに痛かったのか? イヤ、たしかに女にこんな事すんの久しぶりで加減できなかったかもしれねーけど、銀さん優しくしたつもりだよ? ほ、ほら。薬もすぐに効いて痛みがなくなるだろうから、そんなに泣くなって。」
指だけでも痛みを感じるほど子宮の奥が傷ついていると勘違いした銀時は必死に菊を宥めようとする。しかし一向に顔の火照りと涙が収まらない菊に焦り始めていた。そんな銀時に何かを訴えるように、菊は違う違うと首を横に振っていた。
「ちがっ、っく、ちがう。ちがうの。ぃっく。」
「じゃあ、なんなんだ? 腹が痛ぇ訳じゃねぇんだよな?」
銀時の問いに是と答えるように、菊はしゃくり上がりながらも何度も頷いた。そして荒い呼吸を抑え、涙の訳を話しだす。
「…きもち、よかったの。」