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さよなら桃源郷(銀魂:銀時夢)

第2章 そして貴方と出会った


「あのね、お兄さん。これは姐さんには絶対に言わないで欲しいんだけど、私、姐さんの事、お母さんだと思ってる。」

「ああ? おめーのかーちゃん?」

 いきなり何を言い出すかと思えば、幼い少女は『姐』と呼ぶ人物を親として慕っている事を告白しだした。

「うん。本当のお母さんは私が産まれた時に死んじゃったんだ。でも、姐さんが私をここまで育ててくれたの。もう火事でいないけど、姐さんと仲の良かった采女姐さんに聞いたんだ。もし姐さんがいなかったら、私はきっと中絶か成り行きで殺されてたって。」

「…。」

 菊を想うその姿勢は、銀時にかつてスリを働いた清太を彷彿させた。日輪を母として求めていた姿が、いま目の前にいる子供と重なったのだ。

「だから体を、ううん、命を張って、私を守って育てた姐さんには感謝してるんだ。」

 その言葉には、子供ながらに重く、強い想いが紡がれていた。その後も、二人の会話は部屋の中の争いが終わるまで続いた。
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