第5章 ベビーホグリンおんりー目線
俺はお父さんとお母さんをマグマバケツで焼いた。
物心ついた時には、俺はすでに人間の手によって育てられている身だった。なんでも親に捨てられたらしいと聞かされていたから、酷い親なんだとその時まではそう思い込んでいた。
俺は立派なホグリンになるようにと、動き方から戦い方まで、全て人間に教わった。その内MOB闘技場に参加するようになり、俺は優勝一歩手前で、そのホグリン二体と対戦したのだ。
そのホグリン二体が、まさか俺の両親とは知らなかった。この闘技場だって、俺のように改造をされた試作品同士戦わせる人間たちの勝手な娯楽の一つなだけで、俺の意思なんてそもそも必要なかったらしい。
そしてもう一つ。俺はすっかり成人しているはずが、体の大きさはまるでベビーと同じくらいしかないことも判明した。
それも、かわいくて人気が出るからという理由だけで俺は小さかったらしい。身軽だからいいけれど、俺はそんな閉じ込められた世界が嫌になって闘技場から脱走した。俺は人間たちが思っていた以上に能力が高くなっていて、脱走くらい簡単に出来た。
あとになって「スピードスター」が逃げ、闘技場優勝MOBがいなくなったという噂だけは耳にした。けれども俺はそんなことより今を生きるのが必死だった。そんな俺を見つけたのが、MOB販売所の店主だった。