第12章 私目線
MEN豚はその器用さで私に布団を掛けてくれた。ありがとう、MEN。感謝を込めてMENを撫でた。牛おらふくんみたいに撫で返してはしてこないが、こうして撫でる手を許してくれてる時点で、MEN豚もかわいい。
あれ、そういえば牛おらふくんは、と目を上げるとその姿がない。見ればベビーホグリンおんりーもいない。
二人は特に外の散歩が好きだから、どこかに出掛けたのかもな、と思っていると、牛おらふくんが空バケツを大量に持ってきて戻って来た。それからそのバケツに牛乳を注いで私の目の前に置いて並べる。ああ、これは、牛おらふくんの心配しているなりの行動か。
「ありがと〜」
私は牛おらふくんを撫でた。牛おらふくんは嬉しそうに頭をスリスリしてくるからかわいい。それに、お腹も空いていたので、せめて牛乳だけは飲もうと、MOBサイズの牛乳入りバケツをいくつか飲んだ。うん、少し元気出たかも。
おかげで私はなんとか立ち上がることが出来、台所の方へ向かうと、ベビーホグリンおんりーがすでにそこにいて、五人のご飯を用意してくれていた。MOBそれぞれにご飯の種類も違うのに、お皿も間違えずに入れている。すごすぎ。優秀子ちゃんか?
「ありがと、おんりー」
ベビーホグリンおんりーを撫でると、わずかにスリスリが帰ってきて嬉しい。あんまりそばにいることがないので、撫でられる時に撫でなくては。
そうして、私は無事にみんなのご飯を出したので、寝室へと戻った。今日は熱冷ましをおでこに置いて寝ていよう。布団に潜ると、すぐに眠気が襲ってきてそのまま寝落ちした。
起きたのは夕方。ほとんど何も食べていなかったので非常にお腹が空いて体を起こすと、体からダルさが抜けて驚いた。体調が回復したのだろうか。
体温を測ってみようとベットから足を下ろした時、五人のMOBが視界に入って手を止めた。
五人は、私の枕元で固まって寝ていたのだ。
思わずパシャリと一枚写真を撮ると、雪だるまドズルがぬくりと起き上がってこちらを見上げた。
「もう大丈夫なの?」
ドズルがそう聞いてきた気がした。私は雪だるまドズルを横から撫でた。思ったより強い力で撫で返してくるが、大したことはない。
「大丈夫だよ。ありがとね」
私は、雪だるまドズルにそう返事をした。