第12章 私目線

　この五人のMOBを飼い始め、分かったことがいくつかある。
　まず、五人は仲がいいことだ。最初は種類の違うMOB同士はケンカするのかと思ったけれど、この前一緒にリビングで固まって寝ていたのを見てとてつもなくかわいかったのを覚えている。思わず何度もスマホで撮影した。それをロック画面にしたから、疲れた時はこの五人の写真を眺めて癒されている。かわいい。やっぱ五人はかわいいのだ。
　そしてもう一つ、その五人はなぜか私がいない間に洗濯機を動かしていたこと。なんでなのかは分からないが、タンスの引き出し一つ分丸々と洗濯していたから、明日着る分が少なくて困ったっけ。
　だから私は五人に、洗濯機の動かし方と干し方を教えてみた。MOB用のスロープやハシゴなんかを用意して根気強く教えていると、すぐにベビーホグリンおんりーが覚え、次にはMEN豚、雪だるまドズル、牛おらふくんがテキパキとしてくれるようになった。
　一方のぼんスケルトンは、頑張ろうとしてはいるみたいだけど、気づけばどこかに迷子になっていたり、最終的には飼育カゴの中でくつろいでいたりしてあまり向いてはいなさそうだった。褒めると動いてくれるんだけど、もしかしたらちょっと疲れやすいのかな。
　そしてある日、また雪だるまドズルが落ち込んで飼育カゴから出てこなくなった時、牛おらふくんがご飯のお皿を抱えてそばまで行っていたのはかわいかったな。そもそも牛おらふくんは他のMOBに会ってすぐにフレンドリーさを見せていた。やっぱりいい子なのだ、牛おらふくん。
　ベビーホグリンおんりーは基本的に自由に行動してもらっている。他の人に攻撃したという話は聞かないけれど、いつの間にか外に出ているみたいでちょっと心配は心配。どこか人っぽい仕草を見せるので、本当は人間だったんじゃないかと思わせる程愛らしい。いつまでも体が大きくならないのは、なぜだろうか。
　MEN豚は、この前朝からお風呂場にいたから、それをきっかけに朝にお風呂に入れるようにした。MEN豚はいつも家の中を歩き回っていて、いつもどこかしらの装飾をしてくれている。もっぱら動き回るのが好きそうなのだが、お風呂の時は大人しいからギャップ萌えでかわいい。最近は自分でサウナのような部屋を作っている。器用できれい好きなのかな。