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こちら、MOB飼育係[dzl]

第7章 雪だるまドズル目線2


 一方のMEN豚はタンスを凍らせた雪を眺めながら、これは何かの材料になりそうだと呟いていた。そんなことしている場合じゃないんだから、と僕が言うと、それもそうですよねぇ、とこんな提案をしてくれた。
「きっと、中身の服は濡れているだろうから、俺たちだけで洗濯をするってのはどうです?」
「ああ、それはいいね!」
 そんな会話をしている内に、ベビーホグリンおんりーはバケツにマグマを入れて戻って来た。そんなのどこから取ってきたのか、と訊ねても、企業秘密だと返されるだけ。
 そうして、タンスを凍らせた雪は解けたのだが、中身はやはり濡れていて。僕たちは力を合わせて服を洗濯機へと運んだ。サボろうとしていたぼんスケルトンを叩き起して、一緒に。
「確か飼い主さんは、ここに粉みたいなのを入れていたよね」
「液体みたいなものじゃなかった?」
 僕が飼い主の行動を思い出していると、ぼんスケルトンがそう言った。
 牛おらふくんは全然分からんといった感じで、ベビーホグリンおんりーも首を傾げている。そこにMEN豚が、そういう時はどっちも入れちゃいましょうやと言い、僕たちはその意見に賛成することにした。
 そうして僕たちは洗濯機を動かすことには成功したのだが、その後は疲れてみんなでリビングに寝てしまい、「干す」ということをしなかった僕らの目の前で、飼い主は少し困ったような顔をしていた。
 僕は再び反省を示すために自ら飼育カゴに入って自分で鍵をかけた。その度に飼い主さんが慌てた様子で説得しようとしてきたけれど、僕は僕自身が許せなかったからどうしてもカゴから出なかった。
 そんな時は飼い主さんがあれやこれやとしてくれて、最終的には「夜は暑いから私のそばにいて欲しい」とお願いをされて僕は渋々飼育カゴから出た。
 飼い主さんの隣でただただ寝息を聞いているだけで僕は満足だった。飼い主さんは僕に一度だって怒ったことがないし、自由行動を許してくれる。
「う〜ん……」
 飼い主さんが寝返りを打った。暑いのかなと手に触れると、飼い主さんの表情が和らいだ気がした。僕もこの大きな手の平の中で、眠ることにした。
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