第8章 ぼんスケルトン目線2
最近、飼い主ちゃんの視線が熱い気がする。
そりゃあ飼い主ちゃんは真面目な性格で、朝起きたらおはようと挨拶をして回る。そして俺の飼育カゴのカーテンをわざわざ開けて、今日はどうする? と毎日欠かさず訊ねてきた。俺が返事したところで伝わるはずもないんだが、いつでも外に出ていいからね、と言って飼育カゴの鍵を外し、カーテンを少しだけ開けて立ち去っていく。
俺はそこから少しだけ見える隙間から飼い主ちゃんを覗くのだが、あ、まただ。飼い主ちゃんは俺と目が合った瞬間慌てて逸らした。
なぜなのかは、俺もはっきりしたことが分からなくて悩んでいたが、次には二度寝三度寝してしまってすっかり忘れてしまう。今度こそは突き止めてやろうと、俺は飼い主ちゃんがどこかへ立ったタイミングを見て、カゴから出た。
飼い主ちゃんの家は、俺のためかほとんどカーテンが閉まっていた。天井には暗めの明かりがぶら下がっていて動きやすい。
確か今日は飼い主ちゃんは休みだと言っていた。すぐに戻ってくるかもしれないと思いながら、俺は飼い主ちゃんが食卓に置いたものを覗き込んだ。