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【OP】GIFT

第2章 出航



「でも時々今みたいに可愛いな、てところもあるよ」
「可愛い…ふっ」
「そんなん言えるのリアだけでは…」
「でもペンギンくんとかも分かるよね?ローくん可愛いの」
「え?あ、い、いやあ?」


あれ?ペンギンくんも年上みたいだし、年下が可愛く見えるとかあるかなって思ったんだけど……
ペンギンくんは目深にかぶった帽子の奥で目を泳がせるかのようにアワアワと慌てた。

見ると他のみんなも慌てだしている。その視線の先はわたしではなく、わたしの後ろに​───────


「誰が何だって?」


ぐわしっ!とわたしの頭ががっちりと掴まれた。頑張って目だけで見ると、その頭を掴んでるのはローくんの右手だった。
い、いつの間に…というかこの距離で聞こえてたの?
ローくんは口角を上げながらギロリとわたし達を睨みつけている。


「ローくんが、可愛いって話をしてたんだよ」


聞こえてたなら知ってるだろうけど、話の内容を改めて教えると眉間に皺が寄っていった。
クルーの皆からヒュッ、と喉が締まったような呼吸音が聞こえた気がした(さすがにわたしはそこまで耳が良いわけではない)。


「ベポくんと日向ぼっこしてるんでしょ?続き、しなくていいの?」
「…そんなこと言われて続けれるか」
「あらそう?じゃあわたしがベポくんと日向ぼっこさせてもらおうかな」


そう言うとベポくんが取られると思ったのか、パッとわたしの頭を離し、元の場所へと戻って行った。


「…リアだけだよ、キャプテンにあんなこと言えるの……」
「…?多分わたしが言えるのはローくんが優しいからだと思うけど…」


ローくんがわたしの発言を許してくれてるおかげでわたしはああいう風に話せるわけで……それってつまりローくんが優しいってことだよね?
しかし皆には伝わらなかったのか「う〜ん?」と揃って首を傾げた。










ペンギンくんたちに「今できることは一通り教えたし、ゆっくり覚えてもらって、あとから必要な時に必要なこと教えるから今日はもうゆっくりしてていいよ」と言われてしまった。

う〜ん。何しよう。
洗濯物はまだ乾かないから取り込めないし……そういえば潮風でパリパリになったりとか匂いとかつかないのかな?それともそれはもう仕方ないって感じかな?


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