第2章 出航
クリオネくんから洗濯物用のロープを預かり、念力で高さを固定して、それに皆が洗濯物を通していく。
下着はロープでは固定しづらく、風で飛ばされやすいのでまた別の所に干すらしい。配慮として下着は女性物と男性物の干す場所を離している、と教えてくれた。
「よし、リア、あっちの高くなってるところ、梯子あるからそこから登ってロープ留めてきて」
「アイアイ!」
言われた通り、甲板より1段高くなっているところの側面についている梯子を上り、柵まで行き、下にいる皆に手を振ってから念力でロープの端を自分の方へ引き寄せる。
「「「おお〜〜」」」
その様子を見る皆から声が上がる。
「こりゃいいな」「手間が少なくていいな!」とワイワイとした声。
引き寄せたロープの端が自分の所まで来たのを手に取り、クリオネくんが言っていた、ロープを結ぶところを見付け、先程ペンギンくんに教わった結び方で括り付ける。
「出来たよ〜!」
再度、柵に寄り手を振ると「さんきゅー!」「じゃあ降りといで〜」という声が聞こえた。
「洗濯物は基本的に寄港した時とかにするんだけど、それだけじゃ間に合わない時とかもあるからさ」
「そっか〜。艦だと水も有限だもんね…」
汗っかきのわたしには厳しいけど仕方ない。海水が使えたらいいけど海水を使えるようにするには塩分などそう簡単にはいかないらしいし。
クリオネくんたちと話していると、ローくんが甲板に出てきてベポくんに何か合図をするとベポくんが少し日陰になったところで寝転び、そのお腹にローくんが寄りかかるようにして寝転んだ。
「えっと…あれは?」
「ああ、キャプテン、ベポとああやって寝転ぶの好きなんだよ」
「へぇ〜…日向ぼっこみたいで可愛いね」
「かわっ…!ぶふっ」
クリオネくんがえ゛ほッと咳き込むから背中を擦る。すぐに「もう、大丈夫」と落ち着いた。
「…リアってキャプテンのことカッコイイな〜とは思う?」
「うん?思うよ?ちっちゃい時も今も困ってるとすぐ助けてくれるし、わたしに出来ないこと、さらっとやってのけちゃうし」
ローくんがカッコイイのは見た目だけじゃなく中身も。
そういう話をするとクルーの皆は「「「わかる〜!」」」とはしゃぐ。