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【OP】GIFT

第2章 出航





シャチくんは慌てた様子で、「大丈夫そうだからおれ行くわ!」と脱衣場から出ていった。
もしかしたらシャチくんも朝シャワーを浴びようとしてたのかもしれないし、すぐ服を着て急いで歯磨きもして出よう。
ペンギンくんに手伝わせてって言ったし、手首のを取り替えてもらうのは後ででもいいかなあ?



考えながら脱衣場を出ると、ちょうどローくんが歩いてきていた。



「シャワー浴びたのか?」
「うん。取り替えてもらえるならその前に浴びてた方がいっかなって。この後はペンギンくんにお手伝いさせてもらうつもり」
「…先に取り替えるぞ」
「…やっぱり?」



やっぱり後回しじゃ駄目だったかぁ。
それならペンギンくんにもお手伝いまでもう少しかかります、って伝えなきゃ。
医務室で取り替えてくれるとのことなので、ローくんには先に医務室に行ってもらい、食堂へ戻る。


食堂へ戻ると、死屍累々に転がっていたクルーたちの人数が減っていた。


「ペンギンくん」

厨房に顔を出すとペンギンくんの足元にシャチくんが座り込んでいた。

「あ、シャチくん、さっきはごめんね。シャワー室、空いたからもし入るんだったら…」
「あ!いや!大丈夫!!音がしたから様子見ただけだったから!!」
「そっか」


勢いよく立ち上がったシャチくんがブンブンと首が取れてしまうんじゃないかと思うほど激しく首を横に振る。
激しすぎるせいか、心做しかその速度の合間に見えた顔が赤いように見えた。

「あ、それでね、ペンギンくん。今からローくんが包帯取り替えるって言ってて…」
「ん?ああ、いいよ。そっち優先してもらいな。他の奴らも起き出してるからこっちは大丈夫」
「ありがとう」


出来るだけ早く戻ってきて今度こそ何か手伝えるいいな、と思いつつ2人と別れた。




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