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【OP】GIFT

第2章 出航



なんだこの柔らかさは。
胸でも二の腕でも無いようなこの中間地点でこの柔らかさ。癖になる。
続けてふにふにと人差し指をその柔肌に埋めるように押す。

「んン…?」
「!」

リアの様子を伺うようにしていたのがいつの間にか夢中になっていた。目は閉じたままで、肌の違和感にもぞり、と寝相を変え、仰向けに寝かせていたのがこちら側に微かに横に向いた。
今し方まで遊んでいた部位は胸の上の方の膨らみへと変貌し、触るには躊躇う位置になった。


息を潜めていると、また規則正しい寝息が聞こえ出す。
今ので多少頭が冷静になったおれはリアが快適に寝られるよう、靴を脱がすことにした。

腹まで肌掛けを上げる。
既にベッドで一緒に寝たことはあるが、あの時はまだこの感情を抱いていなかった。いや、自覚していなかった、か。
自覚した今では隣に寝転ぶのは少し気が引ける。というか、堪えれるかわからない。
薄く開いた唇に触れたくなる。


恐らく、リアに嫌われてはいない。おれの生死を気にしていたくらいだから、少なくとも再会を喜ばれたはず。
家に泊めたりしたくらいだ。だが厚意であって好意ではない。
無防備さや距離感の近さから測りづらいが、リアの中でまだ子供の頃の感覚が抜けていないせいもあるのだろう。

……これからおれを意識するようになればいい。
しかし焦りすぎても良くない。


眠るリアの前で自制を効かせるため、デスクの方へ移動し、椅子に腰掛けて足を組み、背中を深く預ける。
デスクのライトを灯し、読みかけていた本を開いてリアの寝息をBGMに夜が更けていく。










意識の浮上に伴い、なんだか身体が揺れているような気がして、ゆっくりと目を開けると見知らぬ天井が広がっていた。

「……ん?」


目を擦り、前髪をかきあげながら状態を起こす……が、苦労した。何故か身体が全体的に痛い。主に上半身と腕が痛い。
何とか起き上がり、周りを見渡すと知らない部屋だったけど、雰囲気からして潜水艦の中だというのは分かった。

ああ、そっか。わたしハートの海賊団の艦に……

でもここは女部屋ではない。
女部屋は案内してもらったからどんな部屋だったか覚えている。

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