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【OP】GIFT

第2章 出航




「き、気をつける​───」
「おれがやる」
「…んん??」


ローくんは別に新しくタオルを取り出し、それを自分の目元に持っていき、余った部分を後ろで結んだ。目隠しの状態だ。


「タオルが冷える。早くしろ」
「えっ!おれがやるって、ローくんがわたしの身体拭くってこと?!」
「それ以外に何があるんだ。見えてねェから安心しろ」
「いやいや!それでも恥ずかしいもん!やだよ!」
「…おれはお前の約束やら願いやら聞いてんのにか?」


うっ!それを言われてしまうとわたしがわがまま言い放題みたいだ…!


「で、も、あの、見えてないのにその、わたしの身体がどこにあるかとか分かるの?」
「……おれを誰だと」
「今の間が不安だよ…!」
「チッ」


今舌打ちした…!わたしは拭いてもらわなくても自分で出来るのに、それをローくんがおれがやるって言ってるだけなのに何で舌打ちされたの…


「そんなに信じられねェならお前が誘導すればいいだろ」
「誘導?」


信じられないって訳じゃないけど、その、目隠ししてる状態で何かしようとしたら手でこう…触って確認するじゃん…それを自分の体にされると思うと…つまりそれはその…思いがけないことがあるかもしれないというか……


ローくんは「おれがお前の任意の所以外を触らねェようにお前がおれの手を誘導すればいい」と言う。
タオルを持ってない方の手もわたしが握っていればいい、と。わたしがその手を離した時はタオルをまたお湯に浸して絞る時だということにして。

…それも恥ずかしい、というのはわがままデスカ…


しかし、ローくんは早く、と急かすようにタオルを持つ右手を差し出してくる。


「うぅ…」
「唸るな」

覚悟を決めてその右手に左手を添える。
…早く終わらせてローくんにもちゃんと服着てもらわないといけないし…。

どうしよう、普通に首から下を拭いてもらえばいい?
あの海賊たちに触られたのは主に手、胸、足…そして股…。
いや、股はさすがに困る。
胸は…ギリギリ羞恥心を捨てれる。多分。


ローくんの右手を鎖骨の辺りに誘導する。
首や肘から下、足はせめてまた服を着させてもらってからにしよう。そしたらローくんだって目隠しを外せる。


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