第2章 出航
「ゲヘヘヘ、しっとりとしたこの肌!可愛がってやるからなァ…なんだ?それは睨んでるつもりか?煽るのが上手ェこった」
昨日のようにねっとりと素肌の太ももを撫で、そのままショーツの端までなぞり肌とショーツの間に男の指が滑り込む。
両腕を捻じるように動かして、縄が緩まないかと試してみても手首が擦れて皮が剥けるだけだった。
可愛い、可愛いと言いながら近付く顔に精一杯背けるも、無理やり正面を向かされ、その口がわたしの口に合わさろうとする。
絶対に開かない、と唇を真一文字に結び少しでも避けようとするとべロリ、と舐められた。
気持ちが悪い…
粘着質な男の涎が口周りに残り不快感が増す。
「んだよ、口開けろよォ!」
「ん゛ッ」
顎を掴まれ強要されるが誰が開けるもんか、と抵抗していると突然頬に衝撃が走る。
殴られたのだと分かる頃には口の中が切れたのか、血の味が広がる。
「そんなに嫌がるなよォ。ほら、今楽にしてやるからなあ?」
殴ったことなどなかったかのように次は短剣を取り出し、鞘から抜くとわたしの胸元に突き付ける。
ひんやりとした冷たさがハートの海賊団の診察台を思い出させるけど、感じるのは恐怖だけだった。
突きつけられた短剣はブラジャーのフロント部分を引っ張るようにしてプツン、と切られる。
支えを失ったようにブラジャーが左右に分かれたせいでわたしの胸がさらけ出された。
横に流れる胸を男が左右から吸い上げるように揉み込む。
「……」
「ハア〜や〜らけェなあ〜」
男は両胸を揉みしだきながら、膝を股に押し付けてくる。
「ッ、」
グリ、グリ、と陰部が刺激される。
膝を合わせ閉じようにも片足は押さえつけられたままで、男が掴んでいた方の足は今度は股の間にいるこの男がわたしの陰部を刺激する足とは違う足で踏むように押さえつけている。
「おら、どんどん気持ちよくなってくるだろ?女はこれに弱いんだよ」
残念ながら気持ち悪いとしか思えてない。しかしその気持ち悪さと『犯される』という恐怖に悔しいことに涙が滲んでくる。
「ヒヒ…濡れてねえならそれはそれでおれが舐めてやるよ」
そう言って胸を揉んでいた片手が下へと下りていく。
絶対に嫌だ。
その手がショーツをずり下ろし、割れ目に宛てがわれたその時───────