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【OP】GIFT

第1章 初恋



と、考えていると途端に荷物が軽くなり、反動で後ろによろめいた。


「っ!?」
「おっと」


よろめいたわたしを支えてくれた人物を見上げる。


「わ、ペンギンくん!」
「よっす」
「おれらもいるよ」


ベポくんがわたしが運んでいた荷車を軽々と持っていて、わたしを支えてくれているペンギンくんの横にシャチくんがいた。


「ベポ〜、やっぱ急に持ったら危ねェって」
「リア、ごめん〜」
「え、いや、ありがとう…でもなんで、、」


わたしがよろめいたからか、シャチくんがベポくんを咎めると分かりやすく、しゅん、と落ち込む。


「店に行ったらいねェんだもん。聞いたらおつかいに行ってるってんで様子見に来てみた。」


ニッ、とペンギンくんたちが笑う。
開店後すぐに来てくれたんだ…。
お店がお気に入りになったのか、それともローくんの代わりに術後観察に来たのか。



「リアには重そうだし、おれらが運ぶよ」
「って言ってもベポが、だけど」
「アイアイ〜!任せろ!」


荷車を持ったまま、3人で何やら独特なポーズを決める。
…決まってはいるんだけど周りの目があるからちょっと抑え目にして欲しいというワガママが頭を過った。
術後のお見送りに「目立つから遠くから見守るようにって言われた」と言ってなかったっけ…??

それでも荷車を運んでもらえるのはすごく助かる。


「それじゃあ…よろしくお願いします」

と、3人に言うと「「「アイアイ〜!」」」と仲良く返事してくれた。

…せめて声と動きを抑えて欲しい。









さすがに3人を裏口に案内するわけにもいかず、3人は「今日はおれ達だけ!の予定!」と言っていたのでお店の表口から入店してもらい、わたしは裏口から入店した。


「リアちゃん、ありがとね!重かったでしょう?」


申し訳なさそうに女将さんが言うけど、申し訳ないのはこっちだ。

わたしは運んでもらえたので、と視線だけでベポくん達を示すと女将さんは察してくれたのか「それなら良かった」と微笑んでくれた。


「むしろ今まで一緒に買い出しに行ってなかったのが申し訳なくて…」
「いいのよ〜!私達はもう慣れっこだから!それに普段はここまでたくさん買い出ししないしね」

パチ、とお茶目にウィンクをする女将さん。聞いていたのか、大将もウンウンと頷く。
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