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【OP】GIFT

第1章 初恋




リアの姿が見えなくなるまで見届ける。
あまりしつこく家まで送ると言っても気持ち悪いだろうしな。
あれから十何年と経っているのに、リアは変わらない距離感で接してくる。
あいつだって楽な人生じゃなかっただろうに。何故こんなにもおれに警戒しないのか。



そういえば、フレバンスにあいつがいた頃。
学校や教会へ行くおれを、リアが窓から見送ってくれていた。
それこそ、おれの姿が見えなくなるまで。
何度振り返っても目が合ったと分かる度にニコニコと笑顔で手を振ってきていた。
思い出してつい口角が上がる。

まさか今度はおれがそうするとは。

さすがににこやかに手を振るなんてことは出来ないが。


ニヤニヤ顔で待っているであろうクルーたちのことを考えると、艦に戻るのが億劫だが…。



戻るか…












「「キャプテ〜ン!!おかえり〜!」」


艦に戻るとクルー達が出迎える。
が、その顔はいつもよりニヤニヤと面白がるような顔をしている。


「チッ…うるせェ」
「おれらまだおかえりとしか言ってないのに!」
「まだ何も言ってないのに!」


口々に文句を言うがそれが既にうるさい。



「キャプテン、明日のオペのことだけど…」
「ああ」


別件で同行していたウニが近づいてくる。
明日はこの町の地主のオペがある。

ハートの海賊団の金銭問題はオペと喧嘩を売ってきた他の海賊団が持っていた財宝等から賄っている。
たまに寄った島で財宝を探し出すこともあるが、主におれが金持ちのオペを高額で引き受けることが多い。
そしてオペはおれはもちろん、クルーのうち2人ほどを同行させ、知識や知見を身につけさせる。
おれがいない時にクルーが怪我した時や、万が一おれ自身が動けなくなった場合のためだ。

もともとはジジイのオペをベポたち3人に手伝ってもらったことが発端だ。



「明日は今日と同じようにお前とクリオネについてきてもらう。イッカク」
「アイアイ」
「前払いで受け取った金と財宝、整理しておけ」
「アイアイ!財宝は次の島で売れるようしとくよ」
「ああ」


「キャプテン」

ウニ・イッカクと入れ替わるようにペンギンとシャチが来る。


「リアって何者?」

シャチがリアの名を出す。






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