第5章 潜水艦と日常
食堂に向かいながらどんどん増えていく自分の中での勝手な『ローくんアルバム』を作り上げそれを捲るように楽しんでいると、イッカクちゃんが「なんか楽しそうじゃん?どうした?」と声を掛けてきてくれた。小腹が空いて冷蔵庫を漁りに来たらしい。
「お?リア、おかえり」
「ただいま戻りました」
ペンギンくん、シャチくん、ベポくんも食堂にいてわたしが船長室にいたことを知っているペンギンくんがおかえりを言ってくれた。
緊急事態以外は船長室に行かないように伝えて、と言ってあったからか、シャチくんたちも知っているようで「お疲れ〜」と言ってくれた。
「キャプテン、ちゃんと寝た?」
「うん、寝てたみたい」
「みたい?寝かしつけたんじゃねーの?」
持ってきた食器類を洗いながらペンギンくんたちと話す。
「それがわたしの方が寝かしつけられちゃって。だから寝てる所はしっかり見れてないんだけど」
「寝かしつけられたってことはまた一緒に寝たん?(キャプテンすげェな)」
「一緒に寝るなら寝るって言ってたから…汗かいちゃってたから断ろうと思ってたんだけど…」
「そ、っか〜?」
ペンギンくんとシャチくんがお互いの顔を見合わせるように、目配せするような仕草をしていた。う゛、やっぱり怪しまれるっていうわたしの想像は間違いじゃなかったかも。
「じゃあ抱き枕になってあげたの?」
「うん」
「ベポ、キャプテンの添い寝枕の座を奪われるんじゃない?」
「え!!!!リア!それは許さないよ!!!!」
空気を察してか、偶然か。イッカクちゃんがそう言ってくれたおかげで何となく気まずい空気が薄れた。
「でもリアはベポと違った良さがあるから抱き枕にしたくなっちゃうんだよね〜」
と言いながら洗い物をしているわたしを横からイッカクちゃんが抱きついてくる。はわわ、柔らかなお胸が…!
「あたし達、いつも抱き合って寝てるもんね〜!」
いつもでは無いけど大体そうかも。お互いに足を乗っけたり、くっついて暖をとっている。そうだね、と相槌を返すとペンギンくんたちは「おれらだってそうだよな!」と3人で肩を組んだ。ふふ、仲良いね。