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【OP】GIFT

第5章 潜水艦と日常





トレーニング後、夕飯時になり隣にいつもの様にイッカクちゃんが座る。
あ、そういえばこういう時にもう片方の隣か、向かい合う席にローくんが座ることが多かったけど、最近はそれもないなあ…。


「そういえばさ、イッカクちゃん」
「ん〜?」
「この艦って潜水艦じゃない?ずっと潜っていれば他の艦に見つかることもなさそうなのに何で浮上するの?洗濯物はしょうがないけど、それ以外でも浮上することあるよね?」
「ああ、それね。一番は体のためかな」
「体?」
「キャプテン曰く、人間の体には太陽の光によって作られる大事な栄養とかがあって、長く潜水してるとわたしたちの体に支障をきたしちゃうんだって。だから体調を崩さないためにもちょいちょい浮上する必要があんのね」
「ああ、なるほど」



そういえば、病院に入院している人も日光浴をするために本当に寝たっきりで動かせない状態の人以外は看護師さんたちが付き添って外に散歩へ連れ出すと聞いたことがある。あれもそういう意味だったのかな。



「それと海中に岩が多いだとか、視界が悪い時は海上のほうが安全なこともあるからね。特に夜は海中まで光が届かなくて危険なこともあるから」
「そっか〜…ふふ、体のためっていうのはさすが船長がお医者さん、って感じだね」
「あは、確かに。これがキャプテンみたいに医療の知識がないお頭だったらずっと潜りっぱなしで全員体がふにゃふにゃのボロボロだったかもね」


物事にはそれぞれメリットとデメリットがある。対象物に対象者、それぞれの視点も関係するそれをどう扱うか、どう扱えるかによってデメリットとなる部分を含め、最終的にどれだけマイナスで終わらせないかは重要だと思う。

ローくんはお世話になったおじいさんからのこの艦のメリットもデメリットも扱えているのだ。




「リア〜これ、キャプテンに持ってってくんない?多分部屋にいるからさ」


ご飯を食べ終わる頃、ペンギンくんが食事を載せたトレーをわたしの横に置いた。


「あら、食べに来てないの?」
「多分また部屋にこもってる。集中してんだろな」
「あらら。じゃあ持って行ってくるね」


ちょうど聞きたいことあったし、と言うと「おー任せた。リアのはおれが片付けとくから」と言ってくれたのでお言葉に甘えた。





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