第4章 日向ぼっこ
「イッカクから聞いたんすけど、イッカクとリア、ランジェリー買ったらしいっすよ」
「は?!」
コソコソと耳打ちするとキャプテンが珍しく大声で肩を揺らし驚いた。耳痛ェ
「……何言ってんだ」
「え?だから、ランj」
「その言葉を聞き返したんじゃねェ」
見る見るうちに眉間にシワが刻まれていく。
「…後から詳しくイッカクに聞いてみたんすけど、イッカクのお願いでそのうちランジェリーパーティーしようって話になったらしくて」
キャプテンの様子を伺いながら話すと、眉間にシワだけでなく首から顔、そして耳へと赤みが増していく。
キャプテンが!赤くしてるだと?!珍しい!と思い、周りのヤツらに『見てるか?!』と見渡すと『見てる!』という頷きを数名がした。
「…それで?」
「それで?……ああ、それで、イッカクの話だとリアはベビードール?ってやつを買ったらしいっすよ」
名称だけじゃ男のおれたちはパッと思い浮かばない。そこら辺はイッカクに説明してもらったものをそのまま伝える。
キャプテンは聞きながら腕を組んでいたが、まるで自分の腕を握りつぶすかのように手に力を込めているようで、その両腕と手の甲には血管がわかりやすく浮き出ていた。
お?もしかしてキャプテン、想像してる??
「……その話、他に誰が知ってる」
「あーおれとペンギンとイッカクだけかな」
さすがに色んなヤツらに言いふらしたりしない。イッカクだって女だ。リアだけでなく、あっけらかんとしているイッカクだってこういう話は言いふらされたくないだろう。本人は「リアが知られたくないかもしれないから」って言ってたけど。
「絶対に他の奴らには話すな。あとお前らも忘れろ」
そう言って顔だけでなく耳や首、そして自分で圧迫した腕を赤くさせたままキャプテンは自室へと戻って行った──────
……自室だよな??