第4章 日向ぼっこ
「わっ、!」
「掴まってろ」
右に鬼哭を、左にリアを抱える。
「暫くしたら自分で歩けるから!」
「そろそろ風も冷えてくる。お前が甲板にいたらいつまで経っても潜水できねェだろ」
「そこまでは時間かからないよ!まだ洗濯物も乾いてないだろうし!」
「今更恥ずかしいのか?抱えられるのが」
「えっ?!そういう訳じゃ……」
「そういう割には顔赤ェぞ」
「そ、そう……?」
「も〜〜〜中に戻るんだよね〜?」
そう言いながらベポがおれの背中を押して艦内へと行こうとするのにあわせて足を進める。
「このままお前の部屋に寄れば、服、返せるだろ」
「それもそっか」と簡単にリアは納得した。頑固な時は頑固だが、逆に簡単に言いくるめることが出来る時もある。
リアの中でどういう基準なのか分からない時もあるがそれはそれで面白いと思う自分は思った以上にリアが好きなようだと小さく認識していく。
ローくんに抱えられたまま艦内に入ると、すれ違う皆から「え!リアどうしたの?!」と声をかけられ、その度に「足が痺れちゃって」と返すと「……あ!ごめん、おれらじゃんね!!?」と謝られるまでが1セットとなった。
「本当に全員にしたんだな」
「全員じゃないよ。ジャンバールさんとかは来なかったし」
「にしても多い。途中で言えばよかっただろ、足痺れたって」
「……確かに」
途中で「ん?感覚なくなってきたかも」とは思ったけど、次に待ってくれてる人がいるし、と思うと「待って!」って言うのを後回しにしちゃった。
1人3分だし、と甘く見ていたとも言う。
「……部屋に着いたが…歩けるか?」
「たぶん大丈夫」
まだ痺れてはいるけれど、先程の麻痺してる状態に比べれば、感覚がある分マシなはず。
ゆっくりと足が地面についていく。
壁に手をついてもローくんはいつわたしがよろめいても大丈夫なように手を構えてくれている。
「〜〜〜!!!」
「おい?」
「だ、だい、っ」
大丈夫、と言いたいところだけど、足をついたらくすぐったいような強烈な痺れが右足に走る。
「ひぃ、ンッ」
左足はほとんど痺れていないとはいえ、それを上回る右足の痺れを耐えようとすると声が漏れてしまう。く〜〜〜〜!