第4章 日向ぼっこ
3分経ったことを知らせるアラームが鳴る。
「うわ〜!短ェ〜〜!!!でも癒された!ありがとな!!」
そう言ってシャチくんは元気に艦内へと戻って行った。
「待ってる間の3分は長いわ」
「あはは、楽しみにして貰えてたのは嬉しいけどあまりハードルはあげないでね」
どうぞ、と膝に招くと「お邪魔しま〜す」とペンギンくんが膝に頭をのせる。
「あ〜こりゃいいや。いい眺めだ」
「眺め?それは言われたことなかったなあ」
「え?そう?」
「うん。みんな太ももの感想ばかりだったかな?脂肪が役に立ってそれはそれで嬉しかったけど」
「脂肪て」
くつくつと肩で笑う振動が足から伝わる。
「帽子、取ってもいい?」
「ん?ああ、どーぞ」
先程シャチくんに『オプション』の話をした時にペンギンくんも自分もされたいと言っていたので、同じように帽子を預かり頭を撫でる。
「あ〜……残りの作業も頑張れそ〜」
「それは良かった。夕飯の準備?」
「そう…………あ、やばい。気ィ抜いたらソッコー寝れそう」
「ふふふ」
天気も気温もいいもんね。
もう並んでいる人もいないし、ともうそろそろ鳴りそうな時計を鳴る前に設定を切る。
と、扉が開く音がして、その方向を見るとローくんが甲板に出てくるところだった。
「あ、ローくん」
「ンえッ!ヤバ!」
ペンギンくんが飛び起きる。そんな勢いで立ち上がったら立ちくらみするのでは、というスピードだった。しかしペンギンくんは立ちくらみなんかしないようで、こちらに大股で近づいてくるローくんを相手に「これは、その、他の奴らも…!」と説明しようとしていた。
「ローくんも来る?」
「あ゛?」
ペンギンくんの胸倉を掴んだところで声を掛けると治安の悪そうな返事が返ってきた。
「膝枕。今わたし、膝枕屋さんなの。ほら、多分ローくんで最後だよ」
結構評判良いんだから、と太ももを叩くと、ローくんはペンギンくんを離して手だけで「行け」とペンギンくんに伝えて、自分は鬼哭をベポくんに添えるように置き、わたしの膝へ頭をのせる。
「膝枕屋ってなんだ」
「その名称はさっき頂いたものなんだけどね、」
何故こうなったかを話すとローくんの眉間にシワが刻まれていく。