• テキストサイズ

【OP】GIFT

第4章 日向ぼっこ



「じゃあ3分ずつお願いします!!!」


そう言ってハクガンくんから時計を奪い取ったクリオネくんがわたしよ横に3分に設定した時計を置く。


「リア、これ鳴ったら止めて。もっかい押したらまた3分測り出すから」
「了解です」


みんなにどけられたベポくんが今度はわたしと柵の間に寝転び、「リア、寄っかかっていいぞ!」と言ってくれたのでお言葉に甘えて寄っかかると腰が少し楽になった。少しの間だと思っていたけど、ベポくんに膝枕をしている間に腰がきつくなっていたらしい。


集まっていたクルーたちが列を作り、1人が寝転び、それを列に並んでるクルーが見る、という不思議な空間ができてしまった。


「うわ〜!!!や〜らけ〜!!!!」


ベポくんに『柔らかくない』認定された太ももは今度は柔らかいと言って貰えた。そうでしょうそうでしょう。なんてったって脂肪の塊ですからね。


1人、また1人と3分ずつ交代していっていると並んでいた最後の一人の番、というところでペンギンくんとシャチくんも甲板に出てきた。


「うわ、まじだ。膝枕屋してる」
「おれも並ぼ」


甲板から戻ってきた人達に聞きつけて来たようだ。
シャチくん、ペンギンくんの順に並ぶ。


「失礼しま〜す」
「どうぞ〜」


あっという間に3分が経ち、シャチくんの番になった。既に何人も膝枕していたこともあってわたしは本当に『膝枕屋さん』になったような気がしていた。


「は〜!癒される〜!」
「ほんと?」


シャチくんの言葉に嬉しくなる。ベポくんのように可愛いシロクマさんじゃなくても癒せるとはなんと喜ばしいことか。そしてそのシロクマベポくんはわたしの後ろで熟睡している。


「ふふ、オプションに頭ヨシヨシ撫でることも出来ますが如何なさ」
「お願いします!!」


お店の店員のように言うと食い気味でお願いされた。大きなシャチ帽を預かり、頭を撫でると「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙、、良い、、、」とシャチくんが漏らした。

「あ?まじか。おれもそれされたい」とペンギンくんが言う。「任せて」と返すと「やった〜!」と喜んだ。


頭を撫でられるって大人になるとされる事ないから、新鮮なんだけれど、幼い頃を思い出すし、なんだか落ち着くんだよね。それはわたしだけじゃないようだ。




/ 157ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp